電磁波材料関連講座

メタマテリアルの考え方と理論の詳細

本講義の前半で「メタマテリアルの基礎的な考え方]について平易に解説し後、「線路デバイス、アンテナ、EMC領域へのメタマテリアルの応用」について動作原理を含めて詳しく講義します。後半では、時間を十分取って「メタマテリアルの理論解析的な視点」からのご理解を深めていただきます。このため煩雑な式の誘導法や併せて現象論的な考え方について解説します。これの講義形式で、メタマテリアルに関する全体的な知識が理論的な裏づけと共に獲得できるようプログラムを構成しています。

メタマテリアル概説 (第1部)

  1. メタマテリアルとは?
  2. 歴史的に見たメタマテリアル
  3. メタマテリアルの意義は何か?
  4. 右手系、左手系メタマテリアルの定義は?
  5. 左手系メタマテリアルについて
  1. 負の誘電率、負の透磁率の考え方
  2. どのようにして負の誘電率、透磁率は実現されるのか?
  3. 負の屈折率媒質とは?
  4. 材料概念を伝送線路概念へ転換した理由とその根拠
  5. 実際の左手系等価伝送線路とω-β分散曲線の考え方
  6. 伝送線路的な扱い方の注意点は?
  7. どのようにして伝送線路デバイスに応用されているのか? その取り扱い方は?
  8. 応用例 (フィルタ, カプラ, アンテナなど)
  9. その他

メタマテリアル理論の詳論(第2部)

後半では、前半の講演内容の基礎事項、特に上記左手系メタマテリアルに関する話題について、解析的な視点から演習形式も取り入れて講義します。

  1. 左手系媒質の解析的な説明(何故左手系と呼んでいるのかその理論的根拠についての解説)
  2. 負の誘電率、負の透磁率に関する物理的、理論的な説明(どのようにして負の誘電率、透磁率が実現されているのか?初期のPendryの論文にも立ち入る解説を予定しています)
  3. 右手/左手系複合伝送線路の解析的な説明
  1. 1次元均一線路の場合
  2. 多段型線路の場合(線路デバイスの設計の基礎と成る多段形線路における主要な式の導出法について解説)
  3. 2次元線路の場合(複雑となる2次元右手/左手系複合伝送線路の主要な式の導出法について解説

材料定数等価変換法

材料の有効利用の観点から提案されている「材料定数等価変換法」について講義します。これは対電磁波用途の材料定数を簡単な手段で等価変換する方法です。具体例を挙げながら講義します。

基礎事項と理論解説 (第1部)

  1. 材料定数等価変換法とは何か?[「材料定数等価変換法(Equivalent Transformation Method of Material Constant :ETMMC)」の考え方の基礎や特徴につき解説します]
  2. 誘電率、透磁率発現の原理 [電磁波用途材料の誘電率、透磁率はどのようにして発現されるのか?実例をとり現象、理論両視点から詳しく解説します]

応用と具体例 (第2部)

  1. 材料定数等価変換法の考え方
  2. 材料定数等価変換法の考え方 [そこに潜む合理性や有効性につき説明します。とくに、この考え方に立つ材料概念の一応用例として、電波吸収体を恰好の例にとって説明を試みます。電波吸収体に関する新たな知見が得られます]
  3. 材料定数等価変換手段
  1. 誘電率の等価変換法と具体例
  2. 透磁率の変換法と具体例
  3. 導電率の変換法と具体例
  4. 高周波集積回路概念に立つ材料定数の等価変換の考え方
  5. アクティブ素子装荷による材料定数の変換 [アクティブ素子装荷型等価変換法につき通信環境制御、通信方式、EMC分野など各領域における応用可能性について最新の情報を紹介します]

異方性媒質におけるマイクロ波伝搬現象・理論の詳細

テンソルの基礎理論詳細(第1部)

  1. 固有値、固有ベクトル、主軸などの意味と考え方について
  2. 対角項だけのテンソル表示はどのような理論根拠に立っているのか?
  3. エネルギー保存則と対称テンソルについて
  4. 異方性誘電媒質における電磁波伝搬 [(i)法線方程式, (ii)光軸について]
  5. 異方性媒質中のマイクロ波伝搬は、円筒座標系ではどのように取り扱われるのか[(i)理論式の導き方は? (ii)式の取り扱い方と具体例など]

フェライト異方性媒質について(第2部)

  1. マイクロ波フェライトデバイス動作原理の基礎事項
    1. 電子の歳差運動時の角運動量、トルクとは?
    2. 電子の歳差運動の原理とその現象論的な解説
    3. 自転している1個の電子に静磁界を加えた場合
    4. 単位体積当たりの磁気モーメントを考える場合 [(i) 無損失の場合(ii) 損失がある場合]
    5. 単位体積当たりの磁気モーメントを考え、静磁界にマイクロ波磁界が直交している場合
  2. 磁化の運動方程式とは?その導出原理につい
    1. 磁化の定義の注意点と運動方程式について [(i) 小信号条件の場合 (ii) 大信号条件の場合]
    2. フェライト異方性媒質における磁化率、透磁率は、どのようにして導出されているのか?
    3. Landau-Lifshitzの方程式の意味、磁気回転比と減衰因子の関係について、その次元は? [(i) 無損失の場合の磁化率、透磁率の導出法 (ii) 損失がある場合
    4. 無損失の場合の磁化率、透磁率、円偏波透磁率の導出法
  3. 円偏波とは?定義と注意点、現象的な説明と理論式による解説
  4. ファラデー回転の意味
  5. 磁化フェライトのマイクロ波デバイスへの応用例 (アイソレータ、サーキュレータ、位相器、電波吸収体など)

電波吸収体

下記の内容からご選択いただきましたご希望の複数個の項目について講義します。

主な内容

  1. 電波吸収体の基本原理と発展経緯
  2. 電波吸収体の基礎知識(電波吸収体の現状、電波吸収材における許容反射係数の目安、電波吸収体の分類、電波吸収体の主な応用例)
  3. 電波吸収特性解析の基礎理論(電波吸収体の基本原理、二導体系電波伝送路、伝送線路における整合の取り方、平行板線路での整合の取り方など)
  4. 電波吸収体シミュレータ解析の基礎理論
  5. 磁性抵抗被膜の考え方(フェライト電波吸収体、軟磁性材料、多結晶複合フェライト、透磁率特性の周波数分散特性、Ni-Zn系フェライトの透磁率の周波数特性、Ni-Zn系フェライトを混合したゴムフェライト電波吸収体について、ゴムフェライト系電波吸収体の標準特性など)
  6. 電波吸収体の基本構成と各種事例(単層型、2層形電波吸収体、誘電性ピラミッド型電波吸収体、電波暗室用複合型電波吸収体、ETC用電波吸収体の装着例、マイクロ波・ミリ波用電波吸収体、ミリ波・サブミリ波用電波吸収体の特性例、単一材料による広帯域電波吸収特性の実現方法,薄層化の方法など)
  7. 特殊媒質による電波吸収体
    1. キラル媒質(キラル媒質中の電磁界の導出、キラル媒質による反射界と電波吸収特性など。
    2. 磁化フェライト吸収体
  8. 材料定数測定法
    1. 定在波法
    2. 導波管を用いる場合
    3. 同軸管を用いる方法
    4. 同軸管による誘電率、透磁率測定
    5. 共振器法 (a) 微小試料挿入による方法 (b) 棒状試料挿入による複素誘電率測定 (c) 棒状試料による透磁率測定
  9.  電波吸収特性の測定
    1. TEMモード線路による方法 (a)同軸管法, (b)ストリップ線路法, (c)TEMセル法
    2. 導波管法
    3. 空間定在波法
    4. 空間反射波法
  10. 最新の電波吸収体技術、メタマテリアル電波吸収体、電気制御型電波吸収体等

電波吸収体技術解説詳細シリーズ

自律制御型電波吸収体 (電気制御型電波吸収体)

従来にない全く新しい構成概念に基く「電気制御型」の電波吸収体について解説します。

主な内容

  1. 自律制御型メタマテリアル(Autonomous Controllable Metamaterial:ACMM)とは?
  2. 材料の構成法
  3. ACMM型電波吸収体の構成形態
  4. 電波吸収体としての特性
  5. 特性解析法について

空孔と導体素子からなる電波吸収体の詳細

主な内容

  1. 電波吸収体の基礎
  2. 電波吸収体の理論解析法概説
  3. 磁性材料による空孔電波吸収体の特性
  4. 空孔と導体素子を設けた電波吸収体
  5. 空孔と導体素子の構成寸法の関係
  6. 材料定数と構成寸法の関係
  7. 誘電率と空孔および導体素子の構成寸法の関係
  8. 薄層化の考察
  9. 電波吸収機構など

磁性電波吸収体のスリット付与効果と整合特性の詳細

主な内容

  1. 理論解析の手段
  2. スリット型磁性電波吸収体の整合特性
  3. スリットの整合特性におよぼす種々の効果
  4. スリット寸法と透磁率
  5. スリット寸法と誘電率
  6. 誘電体装荷時の特性
  7. 誘電体装荷時における構成寸法との関係
  8. 電波吸収機構の考察

二導体層からなる電波吸収体の詳細

電波吸収体を2層の導電率層で構成した場合の電波吸収特性について、同軸管による実測と理論解析の両面から詳細に検討した内容から成っている。解析法などに関し、若干重複する箇所があります。

主な内容

  1. 磁性電波吸収体概説
  2. 電波吸収材としてのフェライト
  3. フェライト電波吸収体の種類と特徴
  4. 新しい電波吸収体の考え方
  5. 電波吸収体の基礎理論
  6. バッファを装荷した電波吸収体の吸収特性
  7. 詳細な実験による考察
  8. 金属粉末を用いてバファを構成した場合の例
  9. 電波吸収体コンピュータ解析の理論
  10. 理論解析による整合特性の考察
  11. 透磁率と整合特性
  12. 電波吸収特性の解析結果の詳細など

コンクリート材を生かす電波吸収体の詳細

既存のコンクリート構造物に対して、簡単な手段で電波吸収性能を持たせる方法について解説します。

主な内容

  1. 電波吸収体の基礎
  2. 電波吸収体の測定方法
  3. コンクリート材の電波吸収基礎特性
  4. 電波吸収特性と経年変化
  5. スミスチャートにおける考察
  6. 解析と実測による考察
  7. コンクリート電波吸収体の設計法
  8. 特性制御法について
  9. 空間実験によるデータなど。

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